私の息子は、小学4年生の1年間だけサピックスに通っていました。小学5年生になって、早稲田アカデミーに転塾して中学受験勉強を続けています。
転塾直後は算数の成績は偏差値55より少し高いくらいでした。しかし、じわじわと解けない問題が増えてきて危機感を感じてきました。そこで、メルカリで基礎トレを購入して家庭学習を始めたところ、算数の成績は持ち直して、好成績を残すことができています。
サピックスの基礎トレの特徴
まず簡単にサピックスの基礎トレの特徴をご紹介します。
1日10問解けばよい
基礎トレのも題は、毎月サピックスからその月分の冊子が配布されます。1ページには、下のように問題が10問出題されています。内訳は最初の4問が計算問題で、残りの6問が文章題となっています。
先生からは、1日1ページを毎日解き続けることを指示されます。「基礎」となっていますが、その難易度は高く、子供によっては、数時間かけても終わらないというケースもあるようです。
10問程度だからと言っても、すぐ解けるレベルではないです。初めは時間がかかるのでしんどいですが、コツコツ続けることで、解ける問題も増えてきて、解くスピードも早くなることが実感できます。
出題分野はランダムで週替わり
基礎トレは、毎日10問解き続けるトレーニングです。しかし、同じ分野の問題で10問ではありません。様々な分野で10問が構成されています。どの分野の問題なのかは、基礎トレのテキストの先頭ページに記載されています。
間違った問題がどの分野なのか確認でき、繰り返し間違える分野は理解できていないということが一目瞭然にわかります。
どの分野の問題なのかは書かれていない
子供が宿題で問題を解く場合って、その日に塾で習った内容の復習がほとんどです。まだ、記憶に残っている解法を使って解くので意外と解けるんですよね。
でも、基礎トレはテーマがランダムで出題されます。だから、基礎トレはどの分野の問題なのかを考えて問題を解くことになります。これは、頭の体操に非常に効果的なトレーニングで、解く速度が速くなればなるほど基礎力が上がっていきます。
スケジュールが立てやすい
基礎トレのページの右上には、実施予定日が記載されています。毎月配られて、1日1ページを解くという前提なので、解いた日付を書くのではなく、あらかじめ解くべき日付が記入されています。
だから、いつどのページを解けばよいのかが、すぐにわかります。
サピックスの基礎トレと四谷大塚の計算シリーズの比較
サピックスの基礎トレの特徴を紹介しましたが、現在通塾しているのは、早稲田アカデミーです。早稲田アカデミーにも「予習シリーズ 計算」と呼ばれる問題集があります。これも毎日継続することを塾から指示される問題集です。
基礎トレと計算シリーズのカテゴリごとの比較
早稲アカで使っている「予習シリーズ 計算」問題集とサピックスの基礎トレをカテゴリごとに比較してみました。人によって意見は異なると思いますが、私は、基礎トレを使いたくなってきます。
カテゴリ | サピックスの基礎トレ | 四谷大塚予習シリーズ |
---|---|---|
実施予定 | 日付まで記載 | 実施回があるが、実施日は自分で記入 |
問題数 | 10問 | 7問 |
文章題の数 | 6問 | 2問 |
出題範囲 | ランダムで出題 | その週で学習した分野 |
回答・解説 | (!)問題は、解説が充実 | 詳細はテキストに戻って確認 |
基礎トレで一つだけ不要なのは、!マークが問題番号の横に載っている点です。これは解説があるよというサインですが、子供からすると、これは難しい問題だから解けなくてもいいやって開き直ってよい問題って解釈してまじめに解かないんですよね。解説見て理解するからいいだけど…
基礎トレの難易度
基礎トレは、基礎力を定着させるための問題集です。だから全てのクラスに同じ問題集が配布されます。一方で、早稲アカで扱う予習シリーズの計算問題集は、SAクラスとSBクラスで扱う問題集です。SSクラスでは、もう一ランク上の問題集を扱っています。
2つの塾のクラス構成を突き合わせてみました。私の想像なので、厳密とは言えないかもしれませんが、大きくずれてはいないと思います。実施している生徒の学力層を見ても、基礎トレで学びたくなりますよね。
基礎トレの活用方法
我が家での基礎トレの活用法についてご紹介です。まず、出題分野は見せずに解かせています。出題分野を見せると、解法に当てはめるだけになる為です。今回がどの分野の問題なのかを自分で考えて解法を導けるように、子供には見せずに解かせます。
続いては、間違えた問題です。ミスした問題は放置しないというのは全ての問題で徹底していました。解説がない場合も、問題を遡っていけば、!の問題が見つかるので、その解説を見ながら、今回間違えた内容を振り返ることで、理解が深められます。
さらに、間違えた問題は、1週間後に再度解くことで、繰り返しのミスを減らせます。
サピックスに通っていない人ができる事
基礎トレはサピックスに通っている人の特権なので、入塾テストに合格する必要があります。でも、地元のサピックスでは、生徒数超過により入塾テストを行っていないこともあります。
そんな時は、基礎トレにこだわりすぎることなく、基礎トレを代替する方法で基礎を定着させるしかありません。基礎トレに代替として使える手段をいくつか紹介します。
- 市販の参考書を活用する
- コベツバを活用する
- 家庭教師・個別指導を活用する
それぞれについて詳細に説明させていただきます。
市販の参考書で基礎を補完する
書店にはたくさんの中学受験向けの参考書がそろっていますよね。多くは、わかりやすい構成になっています。だから、世の中には、塾に通わずに難関校に合格するお子さんもいます。
でも、本屋の中学受験の参考書コーナーに行くとすごい量の参考書が並んでいるので、どの参考書が息子の学力に合っているのかを見極めるのがとても難しいんですよね。
これが、市販の参考書で中学受験を乗り切ろうと考えるご家庭の一番の障壁だと思います。ここで、お子さんにぴったりの参考書に出会ったお子さんが塾に行かずに難関中学に合格しているかもしれません。
自分の実力に合った参考書を見つけることはとても困難です。さらに、自分の実力を少し引き上げてくれる参考書と出会える可能性は極めて低く、そこに時間をかけるのは得策とは言えません。
息子がSSに上がった時にお世話になっりながら、助けられた参考書をこちらで紹介していますので、参考にしてみてください。
中学受験のコベツバを受講して基礎を補う
コベツバは、オンラインのテキスト解説動画を配信している指導塾です。サピックスや四谷大塚の予習シリーズの解説や、模試・過去問の解説などを配信しています。しかも、その解説が非常にわかりやすいサービスです。
月額利用料がかかるので、塾との併用に躊躇されるかもしれません。でも、家庭教師や個別指導塾と比較すると破格で利用できます。そして、分かりやすさは地元の塾をはるかに凌駕するので、個人的にはイチオシのサービスです。可能なら、4年生になって入塾したと同時に始めるのをお薦めします。
コベツバについては、こちらでも詳細を紹介していますので、ご興味のある方はご覧ください。
家庭教師・個別指導を活用する
短期的な活用であれば、家庭教師や個別指導はおすすめだと思います。お子さんの弱点を速やかに見つけて対処してくれる可能性があります。
ただし、長期的な活用は家計を苦しめるだけなので個人的にはあまりお勧めしません。受験直前期の特訓として活用したり、受験勉強開始初期の基礎力定着を目的とした活用をお薦めします。
家庭教師の活用法はこちらで紹介しているので、併せてご覧ください
家庭教師は、子供との相性もあるので、直ぐにぴったりな先生に出会えるかはわかりません。教え方のうまい先生に当たればラッキー程度に考えたほうが良いかもしれません。
家庭教師サービスのホームページのトップ画面に載っている先生だから優秀というものでもなさそうです。実績は重要ですが、結局はお子さんとの相性なので、そこをよく見極めてあげてください。
(参考)算数の勉強の重要性
中学受験をするのであれば、算数は一定以上の学力が必要になります。成績に大きく差ができるのが算数だからです。それは、1問における得点の重さが違うからです。多くの学校では、算数の問題1問につき、4~6点の配点となっています。一方で、社会、理科は問題数が多く、1問は1点から2点の問題ばかりです。同じ1問を正解するにしても、算数の方が高得点です。算数を得意にすることが高得点への近道なんです。
理科、社会が好きでも、出題範囲が広くて問題数が多いので、覚える量がとても多くて大変だし、覚えたものが出題されないこともあるので、学び損じゃないけど、浮かばれないわよね。
算数は、原理原則の基礎知識がしっかり定着すれば、難関問題はその応用になるので、積み上げ式で学べるというメリットがあります。
その原理原則の基礎知識を定着させるのに最適な教材がサピックスの基礎トレです。
まとめ
サピックスの基礎トレの特長の一つとして、類似問題を繰り返し出題するという点があります。だから、苦手分野は比較的早くあぶりだされます。基礎が未熟だと、難関校対策もスムーズに進みません。まずは、自分の苦手な基礎分野を認識することから始めましょう。
毎日継続するのはまぁ、まぁ、しんどいです。けど、基礎トレのおかげで、難関校合格したという生徒が多数報告されています。それくらい重要なトレーニングなので、あきらめずに頑張って継続して、第一志望校の合格を勝ち取りましょう。