子どもがサッカーをやりたいと言い出した。
サッカーにはクラブチームとスクールがあるけど
一体どっちに入れればいいの?
サッカーチームとスクールの違いって?保護者の方がサッカー経験が少ないと迷うと思います。そして、所属先を間違えると、思わぬ負担がかかるかもしれません。
少年サッカーの活動組織は、大きく「サッカーチーム」と「サッカースクール」に分類されます。まずはこの2つの違いを理解して、お子さんをどちらに入れるべきか判断しましょう。
サッカーチームの特徴
チームは、試合に勝利することを目的としています。少年サッカー連盟が開催・管理している試合に参加して、公式戦に出場して、他のチームに勝利することが目的です。
少年サッカー連盟の公式戦に出場するには、そのチームが連盟に所属していること。そして、そのチームの選手としての登録が必要です。そのチームの選手として公式戦に出場します。
サッカーチームへの選手登録は小学4年性から
公式戦があるのは、小学4年性になってからです。交流リーグとしてトーマス交流戦というのが3年性の時にありますが、公式戦として結果を公表していません。勝敗ではなく、あくまでも交流戦としての開催です。
公式戦は小4になってから大会があります。大会に出場するには、サッカーチーム所属選手として、サッカー連盟に選手登録が必要です。複数のチームに兼務することはできません。
サッカーチームの試合
公式戦には各団体から1チームしか出場できません。登録選手が多いと、試合に出られない子供も出てきます。
チームの活動は試合に勝つことなので、公式戦は実力主義で出られない選手がいるのは仕方ないことです。ただ、保護者がコーチのサポートをしているようなチームは、子供の技術が多少劣っていても、コーチの一存で試合に出ることもあります。
親のチームへの関わり度合いが試合の出場機会に影響する可能性が高いです。
サッカーチームの種類
チームには大きく分けて以下のような種類があります。
どちらもサッカーチームですが、所属しているメンバーの特徴や入団方法などに違いがあります。
少年団チーム
学校の生徒が母体となって、その周辺地域の子供が活動しているチームを少年団と呼びます。
少年団の活動母体
チームの運営は、選手の保護者やチームのOB、地域のNPO団体として運営しているケースが多く、指導者も選手の保護者やチームのOBということが多いです。
月謝や保護者負担
比較的、月謝は低く抑えられていているチームが多いです。
しかし、その分、チームの運営のお手伝いを保護者が行うため、親の負担が比較的大きくなります。
練習会場への送迎や試合への引率、選手の水筒の用意やチームによっては、コーチの食事を用意するようなところもあるらしいです。
その他、練習試合の場所確保の調整など保護者負担が多くなる傾向にあります。
入団条件
少年団への入団には、セレクションなどは行われず、誰でも入団できます。ほとんどの子どもが同じ小学校の生徒なので、楽しくサッカーの練習を行うことができます。
懸念・心配事
運営を保護者が行っている場合は、サッカーの指導はお父様が行っているケースがほとんど。そうすると、指導者のお子さんがひいきされる可能性があります。
また、個人スキルを教えてくれることは稀で、各選手の自主性に委ねられる比率が強いです。その結果、基礎がおろそかなまま成長する選手も多いです。
クラブチーム
少年団のように地元密着型ではなく、地域の垣根を超えて選手を募集しているのがクラブです。
クラブの運営母体
クラブの運営は、サッカーの指導を専門としたコーチが運営しています。Jリーグの下部組織や地域の強豪チームなどが該当します。
Jリーグの下部組織のチームなどは、元プロ選手が指導に当たっていたり、指導者ライセンスを持った人が多く、試合で勝利するためにレベルの高い指導が受けられる特徴があります。
月謝や保護者負担
少年団と比べると月謝は高くなります。チーム活動も多く、土日に試合が多く入ることがあります。ただし、活動は運営団体が行うため、保護者の負担は基本的にはなく、純粋に試合観戦を楽しめるかもしれません。
入団条件
Jリーグの育成組織や強豪チームは人気があり、入団希望者が殺到します。だから、セレクションを受けて合格しないと入団できないチームも多くあります。
懸念・心配事
少年団よりもチームの勝利に対して強い気持ちがあるので、練習が激しくなります。土日も練習試合などが多く入るため、サッカー中心の生活になってしまいます。
公式戦には全員は出場できず、実力主義の世界です。また、欠席が多いと上手くてもレギュラーから外されるクラブもあります。
本気でプロを目指すお子さんには良い環境のチームも多いですが、熱量の違いに戸惑うお子さん、保護者も多くいます。
サッカースクールの特徴
スクールは、その名の通り「習い事」としてサッカーの上達を目指します。
サッカースクールには試合がないという嘘
チームと異なり、公式戦などはありませんが、リベルタサッカースクールのように全国展開しているスクールでは、地域間の交流試合が頻繁に行われています。日々の練習の成果を試合で試すという機会は十分得られます。
大会への参加は任意ですが、参加表明すれば、基本的には全員試合に出場できます。サッカーチームはレギュラー以外は出場できないケースも多いので、その点大きく異なります。
勝利よりも大切なものに気付かされる
また、勝利する楽しさも重要ですが、楽しむことを最重要視しているので、コーチの声掛けも温かいです。試合を動画撮影して記録されているコーチの声かけがとても温かく優しい声掛けなので、将来振り返った時の良い思い出になるのは間違い無いです。
スクール生は幼少期から参加可能
指導対象はスクールによって異なりますが、園児の時から参加できるスクールは多いです。いずれも初心者からの練習で、コーチの声掛けも良いので、ほぼ間違いなく子供はサッカーが大好きになります。
スクールの活動母体
サッカースクールは、サッカーを教える場です。したがって、指導者ライセンスを所有している指導者による指導が受けられます。多くのJリーグでもスクールを運営しています。
スクールで学べること
指導内容は、サッカーの基礎知識やドリブルやパス、シュートなどの基本スキルやサッカー戦術やポジション毎の動きなどサッカーに関する知識全般を学ぶことができます。
月謝や家族負担
スクール毎に異なりますが、月謝は一般のお稽古事と同程度のスクールが多いです。練習は、週1~2回程度で、スクールを掛け持ちする子供もいます。また、慈善事業ではないので、クラブチームと同様親の負担はなく、安心して子供の成長を見守ることができます。
懸念・心配事
スクールは、個人のスキルアップを目指している人に向いています。一方で、クラブチームと異なり公式戦という位置付けの試合はありません。
ただ、公式戦はありませんが、拠点間で連携してスクール内の交流戦を開催している団体多いです。交流戦という形で、定期的に試合を組むことで試合を楽しみ、日々の成長を確認しています。そして、公式戦は、各団体から1チームのみの出場ですが、スクールは基本的に全員参加ですので、上手い下手に関わらず、試合を楽しむことができるのが特徴です。
ということで、あまりスクールに懸念事項はありません。
チームとスクールどっちがいいの?
これからサッカーを始める場合、スクールとチームを選ぶ場合、目的を明確にすることが大切です。
少年団に入る
サッカーを楽しみたい子供向け。
地元の友達と一緒にプレーする楽しみ、試合に出場する楽しみが目的のお子さん向けです。多くは学校のグラウンドで練習をしているので、自宅から近いところで習い事の一環として通いたいご家庭向き。
個人のテクニックは自主練に委ねられていて、正しく基礎を身につけたい人には不向き。
クラブに入る
それなりの高いレベルを目指す人向け。クラブによっては、プロを目指すクラブもあります。高いレベルの指導が受けられます。しかし、プロになれるのは一握りという点は覚悟が必要です。
また、基礎テクニックはある程度できている前提のクラブも多く、基礎ができていないとなかなか上達は難しい環境です。
そして、家から距離のあるところに通うため、送迎が必要なケースが多くなります。一方で、専用グラウンドを借りて、夜間照明や人工芝など快適な環境下で練習ができるクラブもあります。
スクールに入る
個人のテクニックを磨きたいという子供向け。公式戦に勝利することにこだわっていないのであればスクールがお勧めです。コーチの面倒見もよく、親の負担も少ないので、安心して任せられます。
また、試合なども少ないので、中学受験と並行して続けているご家庭も多いです。
ちなみに、強豪クラブにはスクールを併設している組織も多く、クラブとスクールの両方に所属して、チームプレーと個人技を練習する選手が増えています。
個人的にはスクールがおすすめ
私個人的には、息子はクラブチームとスクール両方に所属させていました。でも、最終的にはスクールが残りました。初めは、
- 試合に勝つ喜びを感じてほしい。
- どうせやるならプロを目指せる指導を受けたい。
こういった思いがあり、どうしてもクラブチームに気持ちが傾いてしまいます。でも、スクールでも同じ体験はできます。
どちらにもある試合に勝つ喜び
スクールにも試合はあります。違いは公式戦かどうかだけ。といってもサッカー連盟が開催しているから公式試合だとは誰も決めていません。
例えば、リベルタサッカースクールは全国にスクールがあり、定期的に各拠点が集まってリベルタサッカー大会が行われています。それも立派な試合です。勝ち負けがあり、喜びも悔しさもあります。十分な体験ができます。
そして、レギュラーという括りはなく、参加表明したら全員が試合に出場できるのもスクールの大きな特徴です。
プロを目指せる指導を受けたい
これも、サッカーの基礎スキル、知識はスクールで学ぶことができます。指導ライセンスを持ったコーチが指導するのですから。
基礎の基礎ですが、プロを目指すために必要なスキルを磨くことはスクールでもできます。
クラブチームの試合はスカウトも来るので、そこからプロへの道が見えてくる可能性はありますが、それでも一握りの選手だけです。
小学校時代はサッカー以外の体験も
クラブに所属すると、サッカー中心の生活になってしまいます。練習を休むとレギュラーから外されるという不安を抱えている選手もいます。また、土日に突然練習試合が組まれることもあり、保護者の方もサッカー中心になります。
スクールは、練習も試合も自由参加で家族の予定が優先です。土日は別の体験をさせたい。とか、旅行にも行きたい。という小学生のいる家庭ならスクールの方が計画的に楽しむことができます。
息子はスクールとチームの兼務をしていました。でも、中学受験をしたいという思いもあり、小4になり、中学受験勉強を開始したタイミングでチームを辞めてスクールに絞りました。
そして、現在、第一志望の中央一貫校に進学して、のびのびとサッカーをやっています。
スクールで身につけたスキルは将来の資産となる
そして、スクールでしっかり練習して身につけた「止める」「運ぶ」「蹴る」の技術は他の同級生と比べるとレベルが高く、その学年でもトップクラスの技術を持っている選手として上の学年にも呼ばれる選手に育っています。
まとめ
サッカースクールとサッカーチームの違いを解説しました。今のお子さんにとってどっちがいいのか、将来的にはどちらが良いのか。それは、ご家庭の子育ての方針にも関わってくることだと思います。
初めてだと違いが分からないですよね。でも、ママ友のオススメのまま入会は危険です。なぜなら、想定外に生活が変わってしまうことがあるかもしれません。
だから、違いを理解して、お子さんの充実したサッカーライフが送れるようにしてあげましょう。