中学受験で苦手科目だけ伸びない|算数・国語・理科・社会の原因と対策を探す

中学受験|苦手科目の原因診断
中学受験で苦手科目だけ伸びない
算数・国語・理科・社会の原因と対策を探す

4科目の成績表を見ると、どうしても一つだけ低い。

算数は取れているのに国語が低い。あるいは国語と社会は悪くないのに、算数だけ毎回足を引っ張る。

こういう状態が続くと、親としてはどうしても、

「この科目がもう少し上がれば、4科偏差値もかなり変わるのに」

と思ってしまいます。

わが家でも、特定の科目がなかなか上がらず、「もっと問題をやらせればいいのでは」と考えた時期がありました。

ただ、今振り返ると、問題数を増やすより先に確認すべきだったのは、その科目の「何ができていないのか」だったと思います。

このページでやること
科目を選ぶ → つまずきを探す → 原因を分類する → 必要な対策へ進む
まず確認|本当に「その科目全部」が苦手ですか?

私自身もそうでしたが、テスト結果を見ていると、つい「算数が苦手」「国語が苦手」という大きなくくりで考えてしまいます。

でも、「算数が苦手」という言葉は少し大きすぎます。

たとえば算数
✓ 計算はできる
✓ 基本問題もできる
✕ 速さになると解けない
たとえば国語
✓ 漢字・語彙は取れる
✓ 選択問題も取れる
✕ 記述だけほぼ点にならない

この場合、科目全体をやり直す必要はないかもしれません。

苦手を小さく分ける
科目
↓
分野
↓
問題タイプ

「算数を勉強する」のではなく、「算数の中の何を直すのか」まで小さくする。まずはここから始めると、次にやることがかなり見えやすくなると思います。

苦手科目が伸びない5つの共通原因

算数・国語・理科・社会では必要な力が違います。ただ、成績が伸びない状態を見ていくと、共通している原因もありました。

原因1|基礎知識・基礎技能に穴がある
算数なら計算・割合・比。国語なら語彙。理科・社会なら基本知識。土台が抜けたまま応用へ進んでいないかを確認します。
原因2|「分かった」と「自力でできる」が混ざっている
解説を見れば分かる。先生が説明すれば分かる。でも、翌日に一人で解かせるとできない。わが家でも、この「分かったつもり」にはかなり悩まされました。
原因3|間違いを全部「×」で処理している
知らなかった、理解していなかった、忘れた、読み違えた、計算ミス、時間不足。原因によって対策はまったく違います。
原因4|苦手だからこそ勉強時間が減っている
子どもは当然、得意科目の方が取り組みやすいものです。ただ、苦手科目を何時間もやらせる必要はなく、15〜20分など短く区切って戻す方が取り組みやすい場合もあります。
原因5|集団授業では個別の穴が残ることがある
塾の授業が悪いという話ではありません。カリキュラムが進む以上、一人だけ特定単元に戻り続けることは難しい。その穴を家庭学習・質問・補習・個別指導などで補えるかを考えます。
算数が伸びないときに確認したいこと

「算数が苦手」で止めず、どの段階から崩れているのかを上から順に確認してみます。

① 計算
正確性・処理速度・途中式・ケアレスミス
② 基礎概念
割合・比・分数・単位などを意味から理解しているか
③ 典型問題
習った解法を自力で選んで使えるか
④ 条件整理
文章題を読んで「分かっていること」「求めるもの」を整理できるか
⑤ 応用・初見
覚えた解法を組み合わせ、初めて見る形に変換できるか
見分けるポイント
基本問題からできないなら「応用演習不足」と決めつけず、基礎へ戻る。基本はできるのに初見で止まるなら、問題数より「なぜその解法を選ぶのか」を確認してみてもよいと思います。
国語が伸びないときに確認したいこと

国語は「センスがない」で片づけやすい科目ですが、実際にはかなり細かく分けて見ることができます。

① 語彙
文章中の言葉そのものを理解できているか
② 読む速度
最後まで読むだけで試験時間を使い切っていないか
③ 内容理解
誰が・何を・なぜ、という関係を整理できているか
④ 選択問題
本文の根拠ではなく「なんとなく」で選んでいないか
⑤ 記述
根拠を見つけられないのか、根拠はあるが文章にできないのか
国語は「どこで止まったか」が見えにくい
正解だけを見るのではなく、「なぜその選択肢を選んだの?」「本文のどこを根拠にした?」と聞いてみると、つまずきが見えやすくなります。
理科が伸びないときに確認したいこと

理科は、単純な暗記科目とも、算数のような計算科目とも言い切れません。知識・計算・観察・読解が混ざるので、「理科が苦手」だけでは原因が見えにくい科目です。

知識不足
用語や基本原理そのものを覚えていない。
計算問題
知識はあるが、水溶液・電気・力・天体などの計算になると止まる。
実験・考察
習った知識を新しい実験条件に当てはめられない。
グラフ・表
データから変化や規則性を読み取れない。
単元差
生物は取れるが物理が弱い、など単元別の差が大きい。
理科については、現在のPAPIXでは原因別の専用記事がまだ十分ではありません。このページを入口に、今後「理科計算」「実験考察」「グラフ」「暗記定着」などへ分けて記事を追加していきます。
社会が伸びないときに確認したいこと

社会も「暗記が苦手」でまとめてしまうと、対策が大きくなりすぎます。どの種類の知識を、どのように使えないのかまで見てみます。

地理
場所・地形・気候・産業がバラバラの知識になっていないか。
歴史
人物・出来事だけを覚え、前後の流れがつながっていないか。
公民
制度名だけでなく、何のための仕組みか理解できているか。
資料問題
地図・統計・グラフを知識と結びつけられるか。
記述
知っている内容を理由・背景まで説明できるか。

「覚えたのに忘れる」場合も、覚える量だけの問題とは限りません。単語だけで覚えているため、関連する情報から思い出せないケースもあります。

社会も今後、「歴史の流れ」「地理の関連づけ」「資料問題」「暗記定着」などへ分けた記事を追加し、このページから直接移動できる構成にする予定です。
3分チェック|苦手科目の「伸びない原因」はどこ?

苦手な科目を一つ思い浮かべながら、YES/NOで確認してみてください。

Q1. 基本問題なら、解説を見ずに一人で解けますか?
Q2. 解説を見た翌日でも、同じ問題を解けますか?
Q3. 毎回、同じ単元・同じ種類の問題で間違えていませんか?
Q4. 時間を測ると急に正答率が落ちませんか?
Q5. 子ども自身が「なぜ間違えたか」を説明できますか?
Q6. その科目だけ、家庭で取り組む時間が少なくなっていませんか?
Q7. 塾で分からなかった部分を質問できていますか?
結果の見方
基礎不足型
Q1がNO。まず基礎へ戻る。
理解不足型
説明直後しかできない。
定着不足型
翌日・翌週に再現できない。
処理速度型
時間制限で崩れる。
苦手単元固定型
毎回同じ場所で落とす。
学習回避型
苦手科目を後回しにする。

※これは記事や対策を選びやすくするための簡易チェックです。学力や発達等を専門的に診断するものではありません。

苦手科目だからといって、問題集を増やす前に

成績が伸びないと、「今の教材では足りないのでは」と考えたくなります。私自身も参考書や問題集を追加したことがありました。

ただ、増やすと今度は、

・塾の教材
・塾の宿題
・市販問題集
・追加プリント
・解き直し

が並び、どれも中途半端になることがあります。

まずは「新しい問題を解く」より、
今ある教材の「できなかった問題をできる状態にする」

もちろん、基礎教材が足りない、現在の教材の難易度が合っていない、と原因が明確なら追加教材が役立つこともあります。大切なのは、先に「何を補うための教材なのか」を決めることだと思います。

塾教材と副教材の使い分けを見る →
親が苦手科目を教えるときに気をつけたいこと

親が勉強を見ていると、一度は「なぜこれが分からないんだろう」と思ってしまうことがあると思います。

私もありました。むしろ、自分が得意だった科目ほど、子どもがどこで分からなくなっているのかを理解しづらいことがあります。

親が担いやすいこと
✓ 学習時間の確保
✓ 間違いの記録
✓ 教材の整理
✓ テスト結果の整理
✓ 質問する問題の抽出
親が無理に担わなくてもよいこと
・苦手単元の専門的指導
・本人に合う説明方法の試行錯誤
・理解度の細かな判定
・受験問題の解法指導

一家庭の経験ではありますが、親が「教える人」になりすぎない方が、結果的に親子とも楽だったと感じています。

中学受験で親が担うサポートを整理する →
一つの科目だけなら、家庭教師との相性は比較的よかった

ここまで確認しても、「塾では分からない場所を拾い切れない」「親が教えるとけんかになる」という状態なら、個別指導や家庭教師を考えてもよいと思います。

わが家の経験から特に感じたのは、家庭教師は「全科目を全部お願いする」より、「この科目の、この部分を見てほしい」と使う方が、目的をはっきりさせやすいということでした。

たとえば
・国語の記述だけ
・算数の速さと割合だけ
・理科の計算問題だけ
・志望校の過去問で毎回落とす単元だけ
特定科目の弱点補強と相性がよいと感じた理由
✓ 一対一なので、間違い方そのものを見てもらえる
✓ 子ども自身に「なぜそう考えたか」を説明させやすい
✓ どの段階で理解が止まったのかまで戻りやすい
✓ 苦手部分だけに授業時間を使える
✓ 今の塾を辞めずに補完できる
ただし、家庭教師をつければ何でも解決するわけではありません。

・そもそも家庭学習時間がほとんどない
・塾の宿題をしていない
・生活リズムが崩れている
・本人がその科目を強く拒否している

といった場合は、個別指導の前に環境を整える方が先かもしれません。
個別サポートを検討してもよさそうなケース
□ 同じ単元で何度も失点している
□ 解説を読めば分かるが、一人では解けない
□ 塾へ質問する時間を確保できない
□ 親が教えると親子げんかになる
□ 苦手部分を短期間だけ集中して見てほしい
□ 塾そのものには大きな不満がない
科目別|次に読む記事

今の状態に一番近いところから進んでください。

理科
今後追加予定
・理科の計算問題
・実験・考察問題
・グラフ・表問題
・単元別の苦手克服
社会
今後追加予定
・社会の暗記定着
・歴史の流れ
・地理の関連づけ
・資料問題・記述
苦手科目の対策方法を選ぶ

苦手が見つかったら、いきなり一番大きな対策を取る必要はありません。私は次の順番で考えると整理しやすいと思っています。

LEVEL 1|家庭で修正する
復習タイミング、間違い直し、短時間学習、教材整理など。
LEVEL 2|今の塾を使い切る
質問、補習、先生への相談、テスト結果を見せて弱点を相談する。
LEVEL 3|教材を補う
不足している分野とレベルが明確になった場合だけ、副教材や問題集を追加する。
LEVEL 4|個別サポートを使う
集団授業では拾いにくい個別の理解不足を、個別指導・家庭教師で確認する。
ポイントは、LEVEL4が「最終的な正解」なのではなく、
今の原因に必要なところまで進めばよい、ということです。
まとめ|「算数が苦手」ではなく「算数の何が苦手か」まで小さくする

苦手科目をなんとかしようとすると、

「算数をもっとやろう」
「国語の問題を増やそう」

と考えてしまいがちです。私自身もそうでした。

でも、科目名のままでは問題が大きすぎます。

算数
↓
文章題
↓
速さ
↓
状況図を書けない
国語
↓
記述
↓
根拠は見つかる
↓
指定字数にまとめられない

ここまで小さくできれば、やるべきことはかなり具体的になります。

まずは、「どこからできなくなっているのか」を探す。

家庭で戻れるなら戻る。塾に質問できるなら塾を使う。それでも穴が見つからない、あるいは親が教えることに限界を感じたときに、個別指導や家庭教師を検討する。

一家庭の経験ではありますが、この順番で考える方が、いきなり問題集や授業を増やすより、親子ともに迷いが少なくなると思います。