小学4年生からサピックスに通いながら中学受験の準備をしていましたが退会しました。開始当初はサピックス偏差値46です。その後、悩んだ末、新5年生コースに入る前に、サピックスを辞める決断をしました。
ただ辞めるだけの決断だったので、その後めちゃくちゃ後悔しました。なぜなら、サピックスはやめるけど、受験を諦めるわけではなかったからです。
実際、うちの子は、サピックスでの勉強から解放されて、一時的に受験から気持ちが離れたんです。だから、再度受験勉強しようって思った時の勉強再開がとっても大変でした。
今回は、受験勉強を始めているご家庭でも同じような苦労をしないように、私の経験を踏まえて、サピックスを辞める決断をする時に子供としっかり話をすべき約束について紹介します。
サピックスを辞める決断をした理由

親として、とても悩みました。サピックスを辞めることが、息子にとって本当に正しい判断だったのか、その当時は冷静に判断できていませんでした。次のような理由でずっと悩んでいました。
組み分けテストの結果を見るたびに、このような思いが頭をよぎりました。そして、サピックスを辞めず継続する方法もたくさん考えました。振り返ると辞める必要はなかったかもしれないと思います。
それはこちらの記事を読んでいただければと思います。
サピックスを辞めるということ
悩みに悩みました。そして最終的にサピックスを辞める決断をしました。理由はいくつかあります。でも一番の理由は、小学5年生のサピックスは、学習量がかなり増えるという点です。小学4年生の1年間のサピックス生活でも勉強量が多くてギリギリ終わらせるのがやっとでした。それを考えると、小学5年生では、サピックスでやるべき勉強量を終わらすことが困難であると容易に想像できたためです。
こんな願いを一年間繰り返していました。テストで残念な結果を見た直後は頑張ります。でも、継続が難しい。まだ勉強することの意味とか、継続することの覚悟が足りていないんですよね。小学5年生なんだから仕方ありません。でも、自分から始めるといったことを途中で「辞める」と言う決断はなかなか難しい問題です。
息子に挫折という敗北感を植え付けてしまうのではないかという懸念もありました。自分で始めた何かを辞めるのは、「未達成」とか「挫折」といった感情が生じます。自分はダメな人間なんだと。少なくともプラスの感情は生まれません。勝者ではなく敗者に近い感情です。
そんな決断を親がしてしまって良いのか。それが原因で落ち込んだり、自己肯定感が下がったりはしないか。でも、続けることの苦しみも想像すると挫折の先延ばしなだけのようにも思えました。
いろいろ考えた結果、サピックスを辞める決断
色々と考えました。でも、あのサピックスの膨大な知識量をこなすのは現実的ではありません。今の生活では難しいと判断しました。子供はまだまだ遊ぶ時間など勉強以外の時間を求めています。勉強一筋で受験を乗り切るのは、それなりの覚悟が必要です。我が子の覚悟を疑うわけではありませんが、受験勉強がその覚悟を遥かに上回る過酷な作業である事に誰も気づいていません。
「続ければなんとかなる。」と、根拠のない希望を持ち続けて、色々なことが中途半端に終わってしまうリスクを感じました。ひょっとしたら我が子ならと、期待したい自分もいましたが、むしろ俺の息子だからな・・・と冷静になり、サピックスを辞める決断をしました。
辞める上で考えたもう一つの事は、サピックス以外でも中学受験の勉強は可能である事です。サピックスを辞める事が受験を諦めることではないということです。サピックスの上位クラスの生徒は、サピックスに代わる塾を探すのはほぼ不可能ですが、それ以外のクラスであれば、同じような学習塾はあります。
個人塾も通信講座もあります。上位クラスに上がる事が目的ではないので、サピックスにしがみつく必要はないと考えました。そして、妻と話し合い、それでも名残惜しさを隠せない妻の意見を振り切ってサピックスを辞める決断をしました。
我が子は、少しためらっていました。サピックスの授業は難しいけど、楽しくもあった1年間だったので、それが無くなることへの寂しさを感じているようでした。また、続けられなかったと言う挫折感や敗北感を感じているようにも見えました。
サピックスを辞める上で抑えるべき約束事
勉強に苦労しながらがんばっている小学生を見ていると、そこまで頑張らなくていいよ。精一杯頑張ったよ。って思って、塾を辞めて楽にさせてあげようって考える保護者の方って結構多いと思います。
それくらい、最近の中学受験って加熱してますよね。
でも、同時に、せっかく勉強を始めたんだから、どこも受けずに公立中学への進学を選択するのもったいないって気持ちも捨てきれないですよね。この二つの感情を曖昧にしたまま、ただ辞めることだけを決断すると後で大変なことになっちゃいます。辞める上で考えなければならないことは、大きく2つあると思っています。
それぞれ解説しますね。
サピックスをやめた後の受験の継続有無の確認
サピックスを辞めたからと言っても、中学受験をやめると決めたわけではありません。でも、やめた後に実際にどうするかを具体的に考えて子供と話し合いをしませんでした。
今の状況を見て、「やめたほうが良いんじゃないか」とか、「これ以上辛い思いはかわいそう。」そんな思いが先行して、やめたらその後どうする?を考えていませんでした。具体的には
- 受験を辞めて公立中学に進み、高校受験で改めて頑張る
- 何らかの形で中学受験勉強は続ける
どちらかになると思います。
受験を辞めて公立中学に進み、高校受験で改めて頑張る
この選択が、子供にとって1番ストレスが少ない選択のようにも思えます。でも、高校受験の勉強開始は、早ければ中学1から始まります。でも、高校の学力格差は広がっています。具体的には公立で言うと、進学重点指定校とその他の高校で難易度が二分されますし、私立高校は、中堅高校は高校入試をやめて、中学入試だけにしている学校が増えています。
6年間の中高一貫校教育の方が、大学受験に有利と考える学校が増えていると言うことです。

だから、相当勉強しないと高校受験では偏差値の高い学校に合格するのは難しくなります。

中学受験をもう少し頑張って行けたかもしれない高校の偏差値を見て、自分がそれを上回る偏差値だとしても、高校入試をしていない学校が多くなっているため、それよりも偏差値が高い難関高だったり、誰でも受かるような偏差値の低い学校しかないなんてことも起こりえます。
だから実は1番辛い選択かもしれないと思っています。
何らかの形で中学受験勉強は続ける選択
サピックス以外で中学受験を継続する方法です。我が子もこちらにすることは決めていたのですが、では具体的に何をするかと言う点は非常に曖昧なまま、サピックスを辞めてしまいました。

とりあえず、Z会で継続すればいいか。程度に考えていましたね。
実際は次のような方法があるので、どのやり方で受験勉強を継続するかは、子供と十分に話し合うことがめちゃくちゃ大切です。
サピックスを辞めた後の子供の心境

勉強から解放された安堵感
我が息子は、サピックスを辞めずにもう少し続けたい。もっと次は頑張る。そう言いながら続けたいと懇願するのではないかと思ったが、覚悟を決めたか「わかった」と一言。
その瞬間、表情が微妙に晴れました
気持ちが楽になったのか、日々難問に追い詰められる圧迫した空間からの解放を無意識に感じたのか、我が子の表情が少し明るくなったように思えた。
学校から帰ってからの、これからまた勉強か。。。と言うような苦痛とも取れる日々から解放され自由との再会を満喫できる。
中学受験に対する強い意志
明日からの未来に意気揚々としていたが、次の瞬間現実を見つめちょっと不安な表情で「じゃあ、受験しないの?」と聞いてきた。私は、まだ我が子の受験熱が冷めていないことに安堵しそして意志の強さを感じた。そして、こう伝えた。
君は最難関を目指しているわけではない。行きたい学校は決まっているから、サピックス以外の勉強方法で、勉強しよう。サッカーや遊ぶ時間も小学生には必要な教育だよ。時間を上手く使って効率的に学習できる方法を考えよう。
そう伝えた。
我が子がそれをどう解釈したかはわからない。また勉強漬けが続くと思ったのか少し表情に曇りが陰ったが、その後は、しばらくの間、勉強から解放され大好きなサッカーに明け暮れる日々を送ることになった。