こんにちは。小6生の最初のイベントの春期講習が始まりました。
春期講習に我が子を通わせた方が良いのだろうか。これは、申込締め切り日ギリギリまで悩みました。塾の先生は「受講すべきだ、いやしなければならない」と何の疑いもなく勧めてきます。
息子の小6春休み直前の成績はこんな感じです。偏差値は四谷大塚の偏差値です。春期講習に行ってグッと成績が上がれば良いのですが…
所属クラス | SBクラス |
偏差値 | 55.49(国語:48.26、算数:54.78、理科:53.47、社会:50.77) |
志望校 | 早稲田大学 高等学院 中学部 (偏差値64) |
小6で早稲アカの春期講習に行かせる不安

我が家で春期講習に通わせることの心配は次のとおりです。実は、小4の時から悩んでいました。そして今年は小6で受験の年です。本当に効果があれば良いのですが、これまでの経験からすごく悩みました。
- 長い授業時間
- 大量の宿題
- 春期講習の料金は高い
- どれくらいの効果があるのか
不安1:早稲アカは春期講習の授業時間が長い
授業時間の目安は以下のようになっています。休憩をはさみますが、15時までみっちり学習します。
- 8:50~10:20/10:30~12:00(国語・算数のうち1科目、90分×2コマ)
- 13:00~15:00(社会・理科のうち1科目120分×1コマ)
私の記憶では、授業は1日中行われて、帰りは夜になっていた記憶がありました。しかし、今は、15時には終わっています。
コロナの影響でしょうか。それとも、昔ほど詰め込み授業をやめたのかもしれません。学校に行っている時間と同じくらいのようです。
それでも、ほぼ一日中、机に向かって授業をしているので、小学生には重労働です。だから、へとへとになって帰ってきたら、宿題や苦手分野の学習ができるのか心配です。
不安2:宿題の多い早稲アカの春期講習
授業時間は15時頃に終わります。でも、早稲田アカデミーは凄まじい量の宿題が出されます。だから、塾から帰ったら、休む間もなく宿題をやらないと、提出日に間に合いません。そんな状況が続いていました。
強制的に勉強をさせるという意味では、良いのかもしれません。でも、春期講習では取り上げない息子の苦手分野は家庭学習で補う必要があります。宿題が多いと、その時間が取れなくなるのではと、心配です。
不安3:早稲アカの春期講習の受講料は高い
早稲アカの授業料は高いです。通常授業も比較的高いのですが、春期講習などの特別講習や組み分けテストも別料金です。そして、いずれの講習もそれなりに授業料は高いです。だから、その受講料に見合った授業を提供してくれるのかが心配になってきます。
- 4科目(国語・算数・社会・理科):60,500円
- 2科目(国語・算数):36,300円
受験の年に授業料をケチって第一志望校に手が届かないということは避けたいです。でも、確実に結果につながるものに投入したいですよね。
不安4:早稲アカの春期講習で成績が上がるのか
どこの塾でも同じだと思いますが、早稲アカでは通常授業と同じ先生が春期講習を担当します。これまで通常授業では成績アップしていません。それなのに春期講習を受けたら成績が上がるの?そんな懸念も強く感じてしまいます。
春期講習は授業時間も長く、宿題も多いです。だからそれなりに料金がかかるのは仕方ないと思います。でも、それだけ時間をかければ効果が必ず出るのかというと、わからない。。。
塾の先生に聞いても、歯切れの悪い答えしか返ってきません。

諦めるのはまだ早いです。過去にお子さんくらいの偏差値から直前期にぐんと成績を上げて第一志望校に合格した生徒もいます。
こういう期待を持たせる話をして励まします。でも、それって、数年間で数えるほどしかいないレアケースです。
そしてそれはおそらく、春期講習を受けたことで成績を上げているわけではありません。だから、家庭で苦手分野の勉強をし方が良いのではないかと、色々考えてしまいます。
参考:サピックスと早稲アカの春期講習比較
色々と比較されるサピックスと早稲アカですが、小学6年の春期講習の内容を比較してみました。期間、1コマの授業時間、費用共に早稲アカのほうが多くなっています。
早稲田アカデミー | サピックス | |
---|---|---|
日程 | 3/26~3/31、4/2、4/3 (7日間) | 3/27〜3/29、3/31~4/2 (6日間) |
教科数 | 2科目か4科目か選択 ・2教科(国語・算数) ・4教科(国語・算数・理科・社会) | 4教科(国語・算数・理科・社会) |
1日の授業時間 | 2科目選択の場合 国語・算数のいずれか、90分×2コマ=180分 4科目選択の場合 国語・算数のいずれか、90分×2コマ=180分 社会・理科のいずれか、120分×1コマ=120分 (合計 300分) | 80分×3コマ =240分 |
費用 | 4教科:60,500円 2教科:36,300円 | 4教科:3,9050円 |
時間単価はサピックスが優位
長時間拘束するのは早稲アカです。一方で、時間単価を見ると以下のようにサピックスのほうがお得です。
- 早稲アカ
総授業時間:300分×7日=2100分=35時間
時間単価:60,500円÷35時間=1728.571円/時間 - サピックス
総授業時間:240分×6日=1440分=24時間
時間単価:3,9050円÷24時間=1627.083円/時間
合格実績もサピックス
これだけの時間とお金を投資しているのだから、相当な効果を期待したいところです。でも、実績は、サピックスの方が良いのですよね。授業量と宿題量が多ければ成績が上がるというものではなさそうです。
以上のことから、春期講習はやめようかなって悩んでいました。でも、それぞれ対処を行うことで、通わせても良いだろうと判断しました。
小6で春期講習に行くことの心配事への対処
受講を検討する際の心配事については、以下のように対処しました。
長い授業時間は間引きする
欲張って4科目受講したら疲弊するのは見えていました。だから、我が息子には、午前中の2科目だけを受講して、午後は家庭学習に時間を確保できるようにしました。
春期講習は、過去に学んだ単元の復習です。一度習った内容なので、すべて授業で聞く必要はありません。だから、テキストの問題が解けるかで過去の学習の定着度が分かります。
そして、小学6年生の春期講習は、全ての授業には出席しません。苦手分野と、我が子が受講してみたいと感じた分野だけ受講するようにしました。
大量の宿題もやらない
時間の確保という意味では、宿題をやるのはかなりハードです。だから、宿題は必要だと思われる苦手分野だけを解くようにしています。その他の分野については、春期講習の宿題はやらずに苦手分野の復習時間に費やしました。
料金が高いのは、受講科目を減らして対処
受講料が高いのも2科目受講にすることで抑えています。ただ、料金は大きな問題ではないですよね。必要なものなら借金してでも受講させるべきだと思います。今回は、必要なものが少なかったというだけです。
小6で春期講習の効果は人それぞれ
春期講習を受ける上での心配事は、これが一番気になるところだと思います。ただし、これだけは、春期講習だけで判断できるものではありません。日々の組み分けテストや模試の結果の推移を見て判断するしかないと思います。
また、春期講習が終わると、週末は早稲田アカデミーの「NN志望校別コース 志望校別オープン模試」があります。その翌週は、4/11には合否判定テストとテストが続きます。ここで上のクラスに上がるための対策として、春期講習はよい復習の機会になると思います。
ちなみに、これまでの中学受験の取り組みや成績推移などはこちらにまとめてあります。参考にしていただければと思います。
小6で早稲アカの春期講習に行かせた理由

上記のような対処をした上で、春期講習を受ける決断をしました。その理由は、苦手科目の底上げと得意科目の凡ミス撲滅です。この2点は家庭学習でもできるだろうと思いました。でも、より効率的に復習するなら塾のほうが良いという判断です。
小6のSBクラスの春期講習はこれまの復習
まず、早稲アカの春期講習は、クラスに応じた2つの目的があります。
- SSクラス:早稲アカの上位クラスでは、春期講習では受験を想定した対策が始まります。
- その他クラス:上位クラス以外では、これまで学習した分野の復習の時間となります。
親の心情としては、SSクラスで受講したいと思っていました。だから、何としても直前の組み分けテストで、SSクラスに上がるぞ!!と、気合を入れていました。しかし、残念ながら希望かなわず、SBクラスでの受講となりました。
春休みは10日程度と非常に短い休みです。だから、全分野の総復習をしたくても、時間的余裕はありません。従って、多くの生徒が苦手とする分野にフォーカスしてカリキュラムが組まれています。だから、子供の苦手分野をすべて学べるわけではありません。
従って、通わせるかどうかの判断は、塾で息子の苦手分野の復習が行われるか否かが一つの判断基準になります。そこで、まず、春期講習のカリキュラムを調べました。調べるといっても早稲アカのホームページに載っているので容易に確認はできます。
早稲アカの小6の春期講習のカリキュラム
2021年の早稲アカの春期講習のカリキュラムは、次のようになっていました。
科目 | 国語 | 算数 | 社会 | 理科 |
---|---|---|---|---|
内容 | ・説明文 ・論説文 ・物語 ・小説 ・随筆文 | ・数の性質 ・平面図形 ・速さ ・変化とグラフ ・割合と比 ・立体図形 ・規則性 | ・日本国憲法 ・国際連合 ・国会 ・内閣 ・裁判所 ・日本の産業 ・政治史 | ・滑車 ・輪軸 ・圧力 ・浮力 ・地球と宇宙 ・電熱線 |
多くの生徒が苦手としている分野が何なのかが良くわかりますね。ただ、これらがお子さんの苦手分野と完全に一致するものではありません。
でも、これを見だけでは判断できません。このカリキュラムと我が子の苦手分野のマッチングを行う必要があります。そこで、苦手分野の多くを復習できるなら春期講習を受講する価値があると判断できます。
我が子の得手不得手分野の分析
これまでの授業での確認プリントや、組み分けテストの結果を確認してみましょう。すると、子供の苦手分野がある程度見えてきます。私の分析では我が息子の得意分野と苦手分野は次のように分類できます。
我が子は、算数では、「速さと比」が苦手です。一方で、多くの子供が苦手な「立体図形」や「場合の数」などは得意分野です。その他の科目・分野を得意・不得意に分類すると上記のように分けられます。
科目 | 国語 | 算数 | 社会 | 理科 |
---|---|---|---|---|
得意分野 | なし | ・数の性質 ・平面図形 ・変化とグラフ ・立体図形 ・規則性 | ・日本国憲法 ・国際連合 ・日本の産業 ・政治史 | ・滑車 ・輪軸 ・圧力 ・浮力 ・電熱線 |
苦手分野 | ・説明文 ・論説文 ・物語 ・小説 ・随筆文 | ・速さ ・割合と比 | ・国会 ・内閣 ・裁判所 | ・地球と宇宙 |
国語は残念です。しかし、その他の教科は比較的苦手分野は少なそうです。したがって、パット見ると春期講習は受けなくてもよいようにも思えます。

国語の成績が悪すぎて家庭でどう勉強すればよいのかわからないからか春期講習に行かせることにしました。

算数も得意な方とはいえ、重要単元の速さと比が比較的苦手なので、授業で復習して、試験でミスらないように確実な知識にしたいです。
2科目のみ春期講習の受講を決断
以上から、苦手な国語を少しでも改善することと、算数は苦手をなくして盤石な知識を定着させることを目的に2教科のみ春期講習を受けることにしています。
- 国語:家庭学習効率が悪いので、塾で強制的に時間を確保する為
- 算数:苦手分野をなくして、全方位的に得点できる実力を定着させるため
- 社会:苦手分野は暗記物なので、受講の必要性はない
- 理科:苦手分野は暗記物なので、受講の必要性はない
小6の春期講習は受ける価値があるか?
ここからは、本音ベースで小学6年の春期講習を受ける必要があったのかについて書いています。
お子さんと塾の先生の相性によっては劇的に成績が飛躍する可能性もあるということを念頭に置きつつ参照いただければと思います。
算数は物足りなさを感じながらも弱点が浮き彫りに
算数に関してはSBクラスの授業は簡単で、物足りなさを感じていました。そして、先生も算数はSSクラスレベルの学力があると判断しています。だから、宿題は少し難易度の高い「応用力完成問題集」を解きなさいという指示を出しています。
ただ、そのレベルの問題を解く授業をSBクラスは行いません。だから、宿題はかなりハードルが高くなり、非常に時間がかかります。それって、なんか理不尽ですよね。SBの授業受けてSSがやる問題を解けってのは。

授業では習わないレベルの宿題を出すなんて、SSクラスで学ぶよりもハードで理不尽な指示です。それなら、自宅で苦手分野を勉強した方が効果的だと思います。
算数だけSSクラスで受けさせてくれというお願いも、受け入れてもらえず、組み分けテストの4教科の成績で決めることになっているとの一点張りでした……。
国語も気の抜けない春期講習
国語は、先生も我が息子が克服しなければならない最重要課題であると認識しています。だから、授業中も集中的に当てられて油断できない状態で授業に参加しています。
国語のある日は他の科目の日と比べてひときわ疲弊して帰ってきます。でも、何を学習したのかあまり記憶に残っていないんですよね。当てられる恐怖が勝ってしまい、あまり見につかなかったのではないかと思います。
理科・社会は家庭学習でひたすら暗記
理科と社会は、受講しませんでした。しかし、この2教科は覚える作業がメインなので、家庭で繰り返しテキストを読み、確認問題を解く……の繰り返しです。
でも、苦手な分野に注力していたので、最初は辛そうでしたが、繰り返すうちに身についてきたように思えます。
ちなみに、社会はこちらの記事の教材を使うことで知識が安定してきました。詳細はこちらの記事をご覧ください。
重要なのは苦手をなくして得意を伸ばすこと
春期講習に通わせる目的は、これまで学んだ内容を見直しして苦手をなくし、得意科目を伸ばすこと
だと思います。でも、実際に通わせた印象は、
中学受験塾の春期講習で、個々の生徒の得意科目を伸ばしたり、苦手科目を克服するのは困難
ということです。理由は明白で、集団塾だからです。
塾に個々人の得手不得手に対処する柔軟性はない
塾の授業は、所属するクラスのレベルにあった授業をしますが、4科が平均して同じ水準の成績である前提になります。
例えば、我が子のように国語が超苦手で下のクラスレベル、算数は得意で上のクラスレベルと理系文系の成績に偏りがある場合は適合しません。

真ん中のクラスにいながら、国語は難しくてついて行けず、算数は簡単すぎて授業を受ける意味がない。そんな状況だと成績が上がるために何をやればいいのかわからなくなります。
息子は国語の成績が非常に悪く、先生も認識していたので、個別指導をすると言ってくれる先生がいました。
でも、息子がなんで国語を苦手としているのかを考えてくれはしませんでした。授業で集中的に当てたり、他の生徒より多く宿題を出したりといった内容でした。これだと、苦手意識が強まるだけで、アプローチが良くないなと感じています。
得手不得手が大きい子供には効果は少ない
これまでなかなかクラスが上がらないというお子さんは、科目毎に得手・不得手が大きいお子さんかもしれません。この状態だと通常の授業でも、なかなか成績は上がりません。
春期講習だと講義内容がコンパクトにまとめられているので、それを受けるだけで成績が上がるなんてことはありません。
お子さんの理解力が低いというわけでもありません。4科目の合計成績でクラス分けをしている塾の仕組みの問題が非常に大きいと思います。
成績を上げたいなら春期講習以外の選択を
春休みは非常に短い貴重な時間です。だから、塾のカリキュラムに合わせて学習を進めるのは非効率です。
効果が全くないとは言えません。でもコスパもタイパも非常に悪い。
お子さんの苦手分野、得意分野を見極めて、短期間で成績を劇的に上げることができるのは、家庭教師の活用がもっとも効果的です。
特に春休みは非常に短いです。その短い期間を超有効に使いたいなら家庭教師しかありません。
まとめ
春期講習を受けるべきかどうかは、お子さんのその時の状況によってきます。一概にお勧めすることはできません。カリキュラムに不得意科目や特別伸ばしたい分野があるかで判断するというのは、あながち間違えではないと思います。
先生からは、春期講習は受講したほうが良いという説得を何度か受けました。また、宿題もすべてやってくるようにと強く言われています。しかし、それで強化したい科目や克服したい分野に費やす時間が確保できないのは本末転倒です。
塾の先生にちゃんと相談すれば、宿題の一部を免除してもらえます。塾の先生の指示を疑うことなく受け入れるのではなく、家庭での意向も伝えたうえで、無理のない対策を検討してくれるのは、早稲アカの良いところだとは思います。