中学受験の勉強を続けて、偏差値50を突破しました。でも、なかなか偏差値55を突破する事ができません。同じようなお子さんは多いのではないでしょうか。
我が子のこれまでの偏差値推移です。

国語 | 算数 | 理科 | 社会 | 4科 | |
5年第4回 | 47.17 | 54.55 | 50.37 | 44.32 | 49.95 |
5年第5回 | 43.9 | 55.85 | 44.15 | 47.52 | 49.15 |
5年第6回 | 32.58 | 56.95 | 54.27 | 58.25 | 51.22 |
5年第7回 | 37.86 | 56.56 | 61.58 | 52.08 | 52.52 |
5年第8回 | 44.93 | 57.64 | 51.47 | 58.72 | 54.29 |
グラフを見ると明らかですが、息子の成績は、算数と社会は上昇気味。でも、理科は分野によってデコボコ。そして、国語が壊滅的に悪いんです。でも・・・

あとちょっと。だから今のまま頑張れば大丈夫。あと少し頑張れば、次は偏差値60に到達できそう。
そんな状態で数カ月過ごしてきました。
偏差値55を突破できない子供の特長
偏差値55というのは、平均より少しだけ成績がよい生徒です。公立小学校では頭が良いと思われる学力ですね。でも、飛び抜けてできるわけではありません。
息子もそのレベルに分類されていました。そして、偏差値55を突破するのは時間の問題だと。4科合計の成績は少しずつ上昇しているから、この調子で大丈夫。そう考えていました。でも、塾の先生に相談したところ、偏差値55を突破するには、大きな壁があったんです。それを乗り越えるためには勉強方法を変える必要がありました。

塾の先生のアドバイスを聞くと、早稲アカのSBクラスで成績を上げる勉強方法と、SSクラスで生き抜く勉強方法がが異なります。と言われているような気がしました。
ちなみに、偏差値50を超えるところから始める必要があるというご家庭はこちらの記事を参照してみて下さい。
「わかった」で安堵する偏差値55を突破できない子供達

偏差値55をなかなか安定して超えられないお子さんは次の③の「わかった」のレベルにいます。

偏差値55を超えられない子供達は、各分野の知識はあります。①②のお子さんとは異なり、知らない(忘れた)と言う単元はほぼない状態です。そして、次のような傾向があります。
- 基本問題は解く事が出来るけれど、ケアレスミスを頻発する。
- 少し長い文章問題では、求める解が何なのか読み取れない。
- 応用問題はどの基本知識を使えばよいか解法の組み立てができない。
- 初見の解法パターンは思考停止して解く事が出来ない。
ミスを軽視する偏差値55を突破できい勉強法
間違えた問題は、解説を見て復習をします。そして、多くの問題は、解説を読めば理解できたように感じます。だから、
- 「あー、この式の計算漏れてた」
- 「ここの計算をミスった」
- 「フムフム、この解法を使うのか」
という形で、分かった気になります。解説を読めばわかるので、問題の解きなおしはしません。そして、なぜ自分が間違えたのか深く考えません。これが、偏差値55レベルの子供の主なつまづきの要因です。

解説を読めばわかる問題は、ケアレスミスという危険な言葉でごまかされちゃうんですよね。でも、本当にそれでいいのかいつも不安になります。

ケアレスミスを引き起こす要因は様々なので、分析をしないと改善はできませんよ。

でも、塾では、生徒毎のミスの理由を深堀してくれなくて、「なぜ間違えたか、家でよく復習するように」って言うだけですよね。でも、家で分析なんて無理ですよ。
こちらは、受験終了後にケアレスミスを削減する方法を記事で紹介しています。記事を書いた当初は行なっていなかった対策ですが、早くから実践していたら、もっと楽だったかもしれない対策なので、めちゃくちゃ大切なこと書いているので、一読いただければと思います。
偏差値55を突破するためのマインドチェンジ

偏差値55を突破する為には、「なんとなくわかった」の量を減らす必要があります。その上で、応用問題になれていく必要があります。
応用問題を解き慣れていないお子さんが偏差値55を超えることも多いです。基礎知識はある程度あるので、なんとなくの理解でも正解できることがあるからです。
多くの応用問題を解けば、出題パターンに慣れて正解率は上がります。でも、本質的な理解を得るには、次の2点を習慣付けする必要があります。
- 問題を図を描いて理解する癖をつける
- ケアレスミスする問題は基礎に戻って振り返る

なんとなくでも正解すればいいじゃん。って気持ちが強いから、そこの考え方から変えないといけないのですね。それって、かなりしんどい・・・
図を描いて理解する癖をつける

応用問題の解法のヒントは、問題の文中に隠されています。問題文にどんな情報が含まれているのか、何を求められているのかを整理できる能力が必要になります。
問題を整理する能力は、多くの文章問題を解くことです。そして、文章問題を読む際は、問題を解くキーとなるワードにチェックをしたり、算数であれば、図や表などで整理したり、線分図などを書いて、整理する習慣をつけることが重要になってきます。
ケアレスミスは基礎問題を解きなおす
計算ミスは、計算力が足りないために起こります。これは、単純計算を繰り返すことで解消できます。また、ケアレスミスのしやすい問題が見えてくる効果があります。
例えば、
- 7の段の計算が弱い
- 少数の割り算でミスが多い
- 単位変換の問題で桁を間違える
などの傾向が見えてきます。解くべき問題の種類も絞り込めてきます。また、先述した図を描いて整理する習慣をつけることでケアレスミスが減ることもあります。
本質の理解に注力するだけで、偏差値55は突破する
息子が偏差値55を突破するためにするべきことを聞きました。算数と国語の強化をするべきというアドバイスでした。

お子さんが偏差値55を超えるための勉強方法ですが、算数と国語の成績を伸ばすのが効率的だと思います。

得意な算数をより伸ばして、苦手な国語は3科の足を引っ張らない程度に得点できるようにする作戦ですね。
先ほど説明したマインドを変えて塾のテキストの問題を解くだけでも、効果はありそうです。でも、より本質を理解するのに算数と国語は次の勉強法を試してみました。
偏差値55を突破する算数勉強法
これまでは基礎知識を単体で使う問題が多かったため、ひょっとしたら、式も図も書かず、暗算ででなんとか回答できていたかもしれません。
問題文を図に表して整理する
しかし、この先は、複数の基礎知識の組み合わせとなるため、暗算だと確実に解けなくなります。従って、文章問題の通りに図や表を書いて、解を求めるための式を書く習慣を身につけさせるようにしました。

どうやって図を描けばいいのかわからないから困っているの
書き方がわからない場合は、解説を見せるようにしています。解説には、図や表が簡潔にまとめられて、その解説が載っているので、書き写す資料としては最適でした。

ただ解説を写すだけだと意味がなくって、書いた図が、問題文のどれのことを描いているのかを確認しながら書かないとやっつけ勉強法になっちゃうので、そこが大変でした。息子は書くのが極端に嫌いなので、毎日書かせるのに苦労しました。
使用する教材は、やはり塾のテキスト、練習問題がベストだと思いますが、塾の教材が難しい時は、次の参考書を使って図に落とす練習をしました。
算数/プラスワン問題集―中学受験
ちょっと難しいかもしれませんが、間違えやすいところを抑えていく必要があります。難しいですが、全く太刀打ちできないものでもないので、一度チャレンジして、苦手分野を見極めてください。そして、苦手単元飲み繰り返して克服です。
下克上算数基礎
これも有名です。暗記に頼らず、図や絵を用いて原理原則をわかりやすく説明しています。問題を解く必要はありません。考え方の説明が非常にわかりやすいので、これまで強引に暗記でごまかしていた知識を原理原則から理解し直すことで、かなりパワーアップします。
偏差値50までは、算数の解法を丸暗記していても太刀打ちできました。暗記が絶対悪というわけではありませんが、ただ、同じ方法だと乗り越えられない壁に突き当たります。それが偏差値55の壁です。
暗記に頼りすぎると、少しでも条件を変えられたり、複雑になるとわからなくなってしまいます。公式を覚える時も、ただ式を覚えるのではなく、どうしてその解法になるかを考えながら勉強するようにしましょう。
偏差値55は突破する国語の勉強法
息子の場合、国語の現代文はなかなか平均以上から得点を上げるのは難しいです。
- 抜き出し問題は必要な要素を書き出しきれず、部分点しか取れない。
- 選択問題はどれも正しい(どれも間違っている)ように見えるから、なんとなく選択する。
などが失点の要因ではないでしょうか。

これが出来てないってのはなんとなくわかってるんだけど、理解するためには、もっと根の深い問題があるような気がするわ。じゃないと、ここまで成績が悪い理由がわからない。。。
塾の先生の活用は効果が限定的
長文読解のスキルが未熟だと、国語の問題を解くことはとても難しいです。なぜなら、書いてある内容を理解できないからです。だから、文章を読み解く力を上げていく必要があります。
でも、この読解力は塾の先生に頼れば力がつくのでしょうか。塾の先生に学習のコツを聞くと、
- 繰り返し音読すること
- 意味を理解しながら音読すること
と言います。でも実際これって、家庭学習でやるのって難しいんですよね。やったつもりにはなれるけど、確かな実力を身につけるには、専門家の協力が必要なんです。

ちゃんと理解して音読しているのに、問題を間違えちゃうのはなんでなの?

それは、意味を理解したつもりになって読んでるからだ思うよ
でも、その専門家であろう塾の先生は音読に付き合ってくれる時間が取れないのが実態です。
先生に質問ができない子供の学習教材
また、間違えた問題も息子は、自分から質問することを躊躇してしまいます。だから、家庭学習で何とかするしかありません。

国語なんてどうやって教えればいいのかさっぱりわからないから苦労しているんですよ!!!
そこで、出会ったのは、塾で教えてくれる 解法を要約してくれているこちらの本です。
「全教科対応!読める・わかる・解ける・超読解力」です。これは、読解力を鍛える参考書です。細かい解説があるので、お子さん一人では難しいかもしれませんが、親が理解して子供に教えてあげると効果的な教材です。

でも、ぶっちゃけると、これ読めば成績は上がりますが、非常に時間がかかるんです。
参考)塾の効果的な活用術
中学受験塾は集団授業をしているので、個々人に合った学習アドバイスはなかなかしてくれません。でも、先生は、成績を短期間で上げる秘訣は、できるだけたくさん先生に質問・相談をすることだと言っています。
- できるだけ多く、些細なことでも先生に質問をすること。
- テキスト・問題集を繰り返し解いて、少しでも疑問があったら先生に相談すること
書くのは簡単ですが、実践は難しいですよね。
どのように質問すればよいかわからない

質問に来る生徒の傾向として、勉強ができる子ほど多く質問に来ます。何がわからないのかが明確だから何を聞けば答えにたどり着けるかを分で分かっているのだと思います。

ってことは、下のクラスの子供は、何がわからないのかわからず質問できないってことになりますね。

はい。だから、わからなければ「何が分からないかわからない」でもよいのですが、とりあえず家に帰ってから考えようとなる生徒が多いですね。
わからない問題は家庭学習でも解決しない
逆に、わからないまま家に帰ってくる子供はなかなか成績は上がりません。なぜなら、家庭では教えてくれる人がいないからです。おそらく、自分でノートを振り返って「きっとこういう事なんだ」と、勝手に妄想して分かった気になるだけです。もしくは、お父さん、お母さんに質問するくらいです。でも保護者の方も忙しいし、中学受験の勉強を教えるのには時間がかかります。
そして、これを繰り返すと解けない分野が増えて、結果学力も上がりません。そんな悪循環に陥ってしまいます。これを断ち切る方法は、答えを知っていて教えてくれる人に質問するしかありません。

先生も実は生徒から質問されたがっているそうです。
受験塾の先生活用術

じゃあ、どんな感じで質問すればいいの?
何がわからないかわからないんだよ。
そんな声が聞こえてきますが、まんま、そのまんま質問すればいいのです。分かっているところが、どこまでで、その先どう考えるかがわからない。
もちろん何が分からないかがわからないでもOKです。塾に質問行く前に親がメモしてそれを先生に渡すでもOKなんです。心配なら、事前に塾に電話して質問があるので、授業終わったら声かけてください。ってお願いしたら大抵は了承してくれます。
そしてその際に、緊張してうまく質問できないかもしれないということも併せて伝えれば、先生はその前提で時間を取ってくれます。
爆速で成績上げたいなら家庭教師
ただし、上記のやり方だと、どうやって質問するかから考える必要があります。先生がお子さんの疑問を理解するのにも時間がかかります。そんなのんびりしてられない早く成績上げて上のクラスに上がりたい。そう考えているのであれば、家庭教師を活用するのが1番早く成績が上げられます。
家庭教師の活用にはみなさんが想像するようなリスクがあります。でも、それは塾でも同じなんです。そして、家庭教師の方がそのリスクを回避しやすいのです。ただ、授業料が塾よりも高いので、敬遠されがちですが、お子さん特化型で最短で成績を上げられるのは家庭教師だけだと私は確信しています。
授業料の問題への考え方など、家庭教師の効果的な活用法についてはこちらの記事で解説していますので、参考にしてみてください。
まとめ
私の子供は、偏差値55越えができないときから、下剋上算数で計算速度が速くなり、塾の先生に質問をするようになって、国語の成績が少し上がり始めました。
3ヶ月続けたころに、偏差値は59前後となり、であと少しで60越えというところまで来ています。上記の方法で特に国語の成績は伸び、それに引きづられて算数の成績もアップしています。
万人に効く勉強法かはわかりませんが、基本は自分にあったテキストを見つけて繰り返すに尽きますね。あとは、塾を徹底的に活用することです。
次は、まだ子供が見ていない60以上の世界。到達したら具体的な勉強法をご紹介します。
(参考)偏差値60までの勉強法