中学受験

大公開!!私立中学の卒業生が進学した大学を徹底調査してみた!!

こんにちは

東京の私立中学を卒業した生徒が、最終的にどの大学に進学したのかを調べてみました。対象としている私立中学は東京都とその近隣の私立中学の男子校と共学の私立中学について調べています。

ここからわかるのは、超難関国立大学に進学できる中高一貫校はわずか一握りしかないという事実でした。

私立中高一貫校別×大学別の進学率

東京の私立中高一貫校から以下の大学への進学率を集計しています。3つの大学ランクに分けてランクごとの集計をしています。

大学ランク進学先大学
超難関国立大学東京大学一橋大学東京工業大学
超難関私立大学慶應義塾大学早稲田大学上智大学東京理科大学
難関私立大学明治大学青山学院大学立教大学中央大学法政大学

また、進学率毎に以下で色分けしています。

  • 合格率100%超はブルー
  • 50%〜100%未満はイエロー
  • 10%〜50%未満は赤
  • 0%〜10%未満はグレー

学校は超難関国立大、超難関私立大、難関大学への合格率の高い順に並べています。

学校名 卒業
生数
サピ
偏差
四谷
偏差
合格率
難関国立大 難関私立大 難関大
筑波大附属駒場 161 73 73 61.5% 112.4% 32.3%
開成 397 67 71 51.9% 134.3% 29.7%
栄光学園 178 62 67 40.4% 112.9% 52.2%
聖光学院 229 64 70 34.9% 176.9% 41.0%
駒場東邦 226 58 64 33.6% 164.6% 57.1%
浅野 267 57 64 31.1% 133.7% 68.9%
渋谷教育学園幕張 354 65 72 31.1% 130.8% 51.4%
麻布学園 302 62 68 25.5% 114.6% 45.4%
海城 317 62 65 24.9% 119.6% 69.4%
武蔵 170 60 64 23.5% 101.2% 85.9%
渋谷教育学園渋谷 232 63 64 21.1% 132.3% 76.7%
サレジオ学院 174 55 60 15.5% 128.7% 140.2%
東京学芸大附属 305 49 62 15.1% 104.6% 80.0%
都立小石川 150 60 66 14.7% 94.0% 96.7%
世田谷学園 207 55 62 14.5% 148.8% 131.9%
早稲田 306 63 67 13.4% 63.1% 20.6%
都立桜修館 139 - 62 12.9% 92.1% 120.1%
攻玉社 234 54 63 9.8% 105.1% 124.4%
市川 427 57 66 9.4% 97.9% 109.8%
281 57 63 8.9% 105.7% 66.9%
桐朋 318 55 61 7.5% 60.4% 75.5%
暁星 162 54 58 7.4% 85.2% 56.2%
巣鴨 241 50 64 7.1% 56.8% 63.5%
公文国際学園 149 - 54 6.7% 58.4% 55.0%
昭和学院秀英 275 53 63 6.5% 92.4% 110.5%
東邦大付属東邦 317 55 64 6.3% 77.3% 87.1%
城北 351 50 59 6.0% 91.5% 111.7%
都立大泉高附属 195 - 60 5.6% 36.4% 100.5%
栄東 478 50 68 5.4% 79.5% 70.5%
本郷 308 55 63 5.2% 107.5% 115.6%
開智 564 55 64 3.4% 48.0% 69.0%
都立富士高附属 193 - 59 3.1% 42.5% 65.8%
広尾学園 292 59 66 2.4% 49.7% 71.9%
成蹊 317 - 57 2.2% 35.3% 46.7%
国学院久我山 487 - 57 2.1% 41.9% 88.7%
淑徳 388 - 56 1.5% 24.7% 40.5%
高輪 223 55 60 1.3% 41.7% 70.4%
成城 255 42 54 1.2% 27.5% 78.4%
西武学園文理 306 34 50 1.0% 15.4% 27.5%
かえつ有明 220 37 50 0.9% 27.3% 30.0%
芝浦工大柏 220 43 59 0.9% 11.4% 24.5%
東京農大第一 344 48 62 0.9% 25.9% 82.6%
足立学園 289 - 48 0.7% 5.9% 20.4%
鎌倉学園 304 60 63 0.7% 38.5% 88.5%
開智未来 187 40 49 0.5% 13.9% 21.4%
専修大松戸 428 42 54 0.5% 18.9% 50.9%
関東学院 250 - 49 0.4% 11.6% 34.8%
成城学園 276 41 54 0.4% 15.9% 20.7%
青稜 283 43 56 0.4% 36.4% 80.2%
桜美林 376 38 48 0.3% 5.3% 48.9%
学習院 196 45 60 0.0% 35.2% 29.6%
佼成学園 181 - 45 0.0% 15.5% 33.1%

私立中から難関国立大に進学するのは一握り

超難関国立大学(東大、一橋、東工大)に50%以上進学している私立中学・高校は筑駒と開成の2校のみでした。あとは第二集団の中高一貫校から超難関国立大学への合格者は、一定数いますがその学校のトップクラスの成績の生徒に限定されています。

超難関国立大学への進学を狙うのであれば、筑駒と開成がベストですが、筑駒と開成を目指すのは相当な覚悟が必要です。その2校への進学が難しいとしても、超難関国立大への合格を目指すのであれば、私立中学への入学は必須ですね。公立中学へ進級してから難関高校に進学し、超難関国立大へ進学するのは、かなり狭き門だといえます。

なお、昨今人気の医学部は調査対象に入れていませんが、医学部の合格率を集計対象にしたら、もう少し対象高校は増える可能性はあります。

私立中ボリュームゾーンは難関大学

一方、超難関私立大学(慶應、早稲田、上智、理科大)へは、筑駒と開成をはじめとした、難関中学と呼ばれる私立中学であれば、100%以上の確率で合格者が出ています。これは、生徒全員が超難関私立大学の大学どこかには合格できる学力を備えているということですね。

このレベルの学生は医学部のある大学に進学する学生もいるため、滑り止めとして、難関私立大を受験している学生が多く、早慶レベルであれば普通に受かるレベルにあるようです。

ここで気づいたのですが、超難関国立大学と超難関私立大学の合格率の隔たりの大きさです。私はどちらの出身ではないので、その昔は東大も早慶もどっちも超難関大学でどちらでも行けるならありがたく行かせてもらうよ。という感じで、早慶以上はすべて同じレベルとして、その違いを見分けることができないくらい高見の存在でしたが、こうして数値で見ると、この2グループの難易度のギャップは相当広いのだなと感じさせられます。

難関大学は努力次第でどこからでも

次に、世に難関大学と呼ばれているMARCHはどの学校からでも合格者を出しています。難関私立大学の合格率が100%超えの私立中学からも受験しているのは、まだその実力を本人や親が信用していないからなんでしょう。
記載の私立中学校に入学して、学校内で上位3割の成績をキープできらば、MARCH以上には入れるということですね。

(参考)偏差値60までの道のり~学力レベルごとの学習法~

私立中高一貫校受験する理由

私立中学受験をする子供は年々増えていますが、まだ小学生のうちはたくさん遊ばせたいという気持ちから、中学受験するべきかどうか迷われているご家庭もいると思います。しかし、多くの家庭が私立中学受験をする世の中になってきました。その理由として、私立高校の入試制度の変化と都立高校のレベルの変化があげられます。

私立の高校入試廃止

私立の多くは中高一貫校となっていて、中学受験と高校受験の2回の入学タイミングがありました。しかし、公立中学から私立の難関高校に受かったとしても、中学進学組と高校から合流することを避けて、高校から始まる日比谷高校などの公立の難関高校への進学を希望する学生が増えています。

その為、高校受験で合格しても高校入学組が少ない為、私立高校は高校入試を廃止して、中学受験のみを行う学校が増えてきています。そうすると、高校から難関高校に入るという選択肢が少なくなり、中学から私立中高一貫校への進学をせざるを得ない状況になってしまいます。

都立高校の衰退

都立高校のレベルは二極化し、難関高校と呼ばれるのは、進学指導重点校と呼ばれる7校と進学指導特別推進校の7校その他の高校という図式になっています。

指定区分高校
進学指導重点校日比谷 西国立八王子東戸山青山立川
進学指導特別推進校小山台駒場新宿町田国分寺国際小松川
出典:東京都ホームページより

小学校、中学校と公立の学校に進級して、高校受験をした場合、都立高校は上記のような偏差値の低い高校と高い高校しかなくなります。都立の偏差値の低い高校はこの一覧に乗ってこないような学校で、必死に受験勉強しなくても入学できてしまう高校が多くあります。

勉強しなくても入れる高校と勉強しても入れない高校

そんな偏差値の低い都立高校に進学してからMARCH以上の大学に進学するのは至難の業です。また上記のような進学指導校の様な偏差値の高い都立高校は、上記の中堅私立中以上の学力を必要とする高校です。従って、公立中学に進級してから、高校受験をはじめて、中学の3年間で合格を勝ち取るには非常にハードルの高い高校です。

このレベルの高校に受かる学生の多くは、小学4年から高校受験向けの勉強をしていたり、私立中学受験で希望の中学に入れず、高校受験に切り替えた子供たちです。

従って、公立の中堅校自体が少なく、それなりに受験勉強をしていける高校を探すと私立高校になり、上記一覧の中間程度の高校になりますが、多くは、中高一貫になりつつあるので、中学から進学している学生と比べると学力で劣っているため、MARCH合格者圏内に入るためには多くの努力が必要になります。

大学は受験は中学受験で決まる!!

以上のような状況を踏まえると、進学先の大学を高校入学後に考えると手遅れなので、どの中学に入ったら出口としてどの大学に行ける可能性があるか?を見たうえで進学先の中学を決めるべきで、私立中学受験勉強は必須事項になると思います。公立中に進むにしてもその先の進学を考えたら私立中学受験勉強は有効な学習方法となります。

入口と出口の格差も重要

また、私立中学受験時の偏差値が高かったとしても卒業時の学力が下がってしまう学校や、入学時の偏差値が低くても最終的な大学は難関に行っている学校もあります。頑張って勉強して偏差値の高い私立中学に入学してもMARCHレベルだと、最終学歴で追いつかれるケースもあるので、どの大学をターゲットにするかによって、私立中学受験の希望校は変わってくると思います。

偏差値ではなく独自性で考える

学力ではなく、私立中学の自由な校風や独自のカリキュラムなど学校の文化に魅力を感じて進学するのも一つの考え方ですが、その先の大学を考えたときに本当にそれでもよいのか、中高の6年間がその先の人生よりも優先すべきことなのかを考えたうえで進学先を見極めるべきだと思います。

(参考)偏差値60までの道のり~学力レベルごとの学習法~

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