中学受験の人気が高まるにつれて、高校受験校の偏差値の高低差が大きくなっている印象があります。
高校受験組は、なんとか良い学校に受かるために日々勉強に明け暮れていると思います。
我が家もそうでした。早々と中学受験は諦めて、高校受験の準備に取り掛かったのです。でも、おすすめの塾がわからず困惑していました。
そこで、難関校への進学実績の多いサピックスと早稲田アカデミーそして、Z開進学塾のどの塾に通わせるのがおすすめなのか分析しました。
サピックスと早稲田アカデミーそしてZ会の合格実績
2021年度の高校受験実績情報をサピックスと早稲田アカデミーおよびZ会進学塾の3つの塾で比較しています。
塾校生の人数や校舎数が異なる3塾なので、単純な比較は難しいと思います。全部の高校への合格実績を載せてもあまり意味がないので、ここでは、都立の進学指導重点校に指定されている7校と国立大学付属高校への合格実績に絞って比較してみました。
その他の高校への合格実績を見たい方は、各ホームページを参照してみてください。
なお、各塾へ通っている人数は把握できていないため、以下の前提を置いて算出しています。
受講生徒数の算出方法は次の通り
- 各塾1クラス15人編成
- 各教室のクラス数は2クラス
- 23区で開講している教室数の合計
(早稲アカ:99教室、サピックス:22教室、Z会:11教室)
<進学指導重点校(7校)への2020年度合格実績>

<国立大付属高校への2020年度合格実績>

合格実績ではZ会が圧勝
都立高校への合格者数は、Z会が圧倒的に多いことがわかります。比率の前提が過少となっていることから、102%となってしまっていますが、教室数が一番少ないZ会は、通塾生徒数も一番少ないと考えられます。
その状況でこれだけの合格者数を輩出しているZ会は驚異的な指導力があると考えられます。通信教育の最高峰であるZ会は高校受験の通塾においても圧倒的な実績があることがわかります。
合格人数で見ると早稲田アカデミーが圧勝
合格者数を見ると、早稲田アカデミーが際立っています。都立高校、国立高校共に多くの合格者を輩出しています。どの高校へも2桁人数の合格者を出しています。これは、通塾の生徒数が多いのでこの合格者数が増えるのは必然です。
早稲田アカデミーは、入塾テストはありますが、無料で受けられることと、不合格がなく、基本はだれでも通うことができ、生徒の学力にあった指導を行うことを売りとしています。さらに入塾時は下のクラスでも努力次第で上のクラスに上がって難関校を目指せる利点もあると思います。
従って、合格校の偏差値もかなり幅が広く進学指導重点校や進学指導特別推進校、進学指導推進校に指定されていない高校への進学のサポートもしています。
早稲田アカデミーの合格実績のページを見ると、各校への合格者数も検索できます。東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城で6200名の中学生が在籍しているので、かなりの人数が早稲田アカデミーに通っています。
国立大付属高校への合格率を見るとサピックスへの期待値が上がる
サピックスは、ホームページには在籍者数は記載されていませんが、少数精鋭部隊を形成した塾です。入塾テストがあり、一定の学力のある子供だけが入塾することができます。この文化は中学受験から同じですね。
従って、早稲田アカデミーと比べると合格者数は少ないのですが、都立トップの日比谷高等学校と筑駒高校の合格者比率を見ると早稲田アカデミーを上回っています。
サピックスに入塾できる子供は一定のレベルで難関校に合格するポテンシャルのある生徒だけに絞った指導であると考えると、入塾テストに受かることができたなら、早稲田アカデミーに通うよりもサピックスに通ったほうが難関校に合格する指導を受けられる可能性が高いということが言えます。
この入塾テストで振るいにかけるのはZ会も同様で少数精鋭での指導を行っていると思われます。
早稲田アカデミーとサピックスそしてZ会それぞれの塾の特長は
合格実績で比較してみましたが、それぞれの塾には考え方に大きな違いがあります。
入塾テストの合否があるZ会とサピックス
どの塾に入れるべきなのかを検討する前に、塾から許可されない可能性があるのが、サピックスとZ会です。この2塾に関しては一定のレベルに達していないと不合格になるケースがあります。
考え方を変えると、入塾テストに合格できるレベルのお子さんは、難関高校へ合格するポテンシャルがあると判断されたと考えられるので、まずは、入塾テストを受けてみるという価値はあると思います。
なお、Z会は入塾テストは無料ですが、サピックスに関しては、入塾テストを受けるのに3,300円かかります。合格実績を見るとまずはZ会の入塾テストを受けてみるのが良いかと思います。
入塾テストのない早稲田アカデミー
早稲田アカデミーに関しては、入塾テストで不合格はないと聞いています。受講するクラスのレベルは異なりますが、どのクラスに入塾するかの判定なので、悪ければ下のクラスということで、基本の基本から学び始められると考えられます。
Z会、サピックスどちらの入塾テストも不合格になった場合は、早稲田アカデミーで受け入れてもらえる。ということですね。しかしその発想で早稲田アカデミーにはいったとして、下のクラスで質の高い授業が受けられるのかはわかりません。
基本的に塾は合格実績が命です。より難関の学校に多く生徒を進学させたいと考えています。そこで、噂ですが、早稲田アカデミーに通う超優秀な生徒は月謝を優遇してもらう制度があり、ほぼ無料で受講できるという話を聞いています。
この仕組みを考えると、
- 下のクラスに通う生徒が難関校に受かるように優秀な講師が担当する
- 上のクラスの生徒が確実に難関校に受かるように重点指導する
どちらを選択するかと考えると、後者な気がします。上のクラスの生徒をさらに高みに押し上げて合格確率を上げるのと、下のクラスの生徒を上のクラスに押し上げる指導、どちらが大変なのかというと、基礎ができていない下のクラスを押し上げる作業に他なりません。
従って下のクラスの生徒は学費要因と考えられている可能性もあります。もちろん、授業で使用するテキストをしっかり理解していけば上のクラスに上がる可能性はありますので、悲観的になる必要はないですが、積極的に先生に質問するなどのアクションは必要になると思います。
どの塾もどれだけ塾を活用するかで結果に大きく影響する
勘違いする生徒が多いのですが、Z会もサピックスも入塾出来たら難関校への進学が約束されたというものではありません。先述した合格実績を見ると明らかで、Z会は懐疑的ではあるものの、一部のトップクラスの生徒が難関校への進学を叶えていますが、その他大勢の生徒は中堅以下の高校にとどまっています。
塾の先生の活用
その違いはおそらく塾の先生をどれだけ活用したのかにある気がします。授業を聞いて宿題を解いて満足しているのではなく、分からないところを先生に質問に行き、何度も繰り返し問題を解き、答えの暗記ではなく、解答までのプロセスを理解して記憶できているかで、結果に大きく差ができるのだと思います。
中学受験の大手サピックスは先生への質問がしずらい環境でしたが、高校受験のサピックスは先生に質問したい放題です。早稲アカもZ会も同様です。
授業で聞いた講義であいまいな点があると、家に帰ってゆっくり振り返ろう。と考えて質問せずに帰宅する子供がほとんどですが、それで理解できれば良いですが多くの場合は理解した気になって終わらせます。
そうではなく、少しでもあいまいだと思ったら自分の理解があっているか授業の直後に先生を捕まえて確認するべきなのです。この繰り返しが理解度の定着にかなり影響します。森の中の木として、ひっそり授業を聞くのと先生を独占して1対1で教えてもらう。どちらが贅沢な勉強なのかを考えて行動することが重要です。
自習室の活用
これは、コロナ禍において自習室を解放していない教室が多いので受験生には気の毒でしかありませんが、塾の自習室を活用して勉強することは非常い効果的な学習方法です。
人は、周りの環境に左右されるので周りの生徒が勉強していたら自分も勉強する思考に切り替わります。わからない問題に出会っても塾の先生にすぐに質問することができます。
まとめ
早稲田アカデミーとサピックス、そしてZ会の大手3塾を比較しましたが、進学実績を見る限りZ会に入塾出来ることが難関高校への道が開ける可能性が一番高いと思います。
難関大学受験向けの通信教育から始まったZ会は高校、中学と対象学年を下げながら、通学教室も設立し、難関大学に合格するための効率的なカリキュラムを逆算してプランしているので、そのカリキュラムに乗っかることができるのであれば、難関校への道は開けるかと思います。
そしてサピックスもZ同様に高校受験においては、少数精鋭塾です。そして入塾テストでの合否もあります。これは一定以上の指導をするために選ばれた生徒たちだけで合格を目指すという点において指導者のレベルは高い先生を設けていると考えられます。
これは、塾の先生に質問をするという点においても重要で、早稲田アカデミーで質問をすると、下のクラスの若手の先生が担当する可能性があります。そうすると、明確な回答が返ってこない可能性がありますが、Z会やサピックスは難関校を合格させるために集められた先生しかいないため、質の高い回答が得られる可能性が高くなります。
合格者の人数だけ見ていると、見誤ってしまう可能性もあることから独自に分析した結果を公開してみました。